2019-05-11 キャッチボール 私小説 10年前、私は妻と公園でキャッチボールをしていた。ゴムボールは、相鉄ローゼンの2階の100均で買った。 その年、私は25年務めた会社を退職していた。マンションのローンも残っており、1人娘は高校生であった。 私は、ボールを妻に投げた時ポツリと言った。「何とかかるかなぁ」。 彼女は、投げ返しながら「何とかなるわよ」と言った。 「何とか…なるか…」。 金木犀の香り漂う、秋の日差しが少し眩い日曜日の午後でした。